★ティルタ・ウンプル

 ここはバリヒンドゥー教の寺院の一つ。
 いろいろと寺巡りをするうちに、私達の「腰巻き術」も
 上達してきた。
 お寺に入る前には 腰巻きの巻場所やレンタル所もある。
 けっこう厳しいのだ。
 ここでは「布だけでなく帯もつけて」と言われた。

 ティルタ・ウンプルは 聖なる泉の沸き出す寺院である。
 たいていの寺院は 割れ門をくぐると沐浴場があり、
 獣の俗世界から来たものは そこで身を浄めてから
 次の人間の世界へと進むようになっていた。
 清らかで、冷たい水。
 僧が一人、身を浄めていた。
 長髪を束ね、白装束のお坊さん。
 かなりダイハードな雰囲気。
 所変われば 僧も変わる。
 でも すごくストイックで真摯な感じだった。

 中に進むと 背丈ぐらいの塀囲いがあった。
 よじ登って中をのぞくと、澄んだ真っ青な水が
 湧き出している。
 ティルタ・ウンプルの、聖なる源泉。
 本当に、碧い色なのだ。
 上から見ても、どこからが水面か分からない程、
 澄み切った、吸い込まれそうな透明感。
 隣によじ登っていた中国人のおじさんも、
 感嘆の声を上げていた。
 聖なる泉。

 傍らには 世界のバランスを司る、といったかな、
 カメの石像。
 それにしても どうしてこんなにバリの人って手が器用なのだろう。
 ものすごくち密な彫刻ばかり。
 技術もさることながら、根気の続く人達としか言いようがない。
 すごい。(私もビーズで ちまちまやっているけれど、
 こんな大作、考えただけで絶対くじける。)
 そしてモチーフの神様や動物達は どこか大らかな表情。
 南だ。

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藻が浮かんでいるのでかろうじてどこが
水面なのか分かったほど。左隅の白っぽい所が底の砂で、灰色がかって見える所から絶えず水が湧き出している。